3月10日新聞
休眠預金、新産業や福祉に活用 超党派議連が法案(日本経済新聞夕刊)
本日、日本経済新聞夕刊に休眠預金に係る記事が掲載されましたので転載します。特に目新しい情報はありませんが、活用団体を金融界などで作ると書かれているところが気になります。
3月10日新聞
12月26日新聞
預金保険料下げ、来年度にも 預保機構検討、銀行の負担減へ民間金融機関が破綻(はたん)に備えて積み立てている預金保険の料率(現在0・084%)について、預金保険機構が2015年度から引き下げる方向で検討に入った。金融危機が一段落し、順調に積立金が増えているため。率を0・04~0・05%に引き下げる案が有力だ。▼8面=金融機関の思惑は預金保険機構が7月から非公開の検討会で議論している。年内にも結論をまとめ、金融庁などに認可を申請する方針。率自体が引き下げられれば、預金保険制度の始まった1971年以降で初めてとなる。預金保険は、銀行などがつぶれた時に預金者が困らないよう、各金融機関が預金残高の一定割合を預金保険機構に積み立てる制度。大手金融機関の破綻が相次いだ90年代、積立金は足りなくなり、料率を0・012%から現在の0・084%まで大幅に引き上げた。その後、金融機関全体の経営が安定し、目立った破綻も11年以降はなく、業界から引き下げを求める声が強まっていた。12年度からは、破綻が1年間なければ、0・014%分を後で返す仕組みを導入している。現在、業界全体で毎年度約6千億円の保険料を納めている。料率が0・01%分下がるたびに、負担は900億円近く軽くなる計算だ。業界は0・04%台にするよう主張している。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー銀行、資本増で体力強化へ 預金保険料率引き下げ検討初めての引き下げが検討されている預金保険料率は、1990年代の金融危機への対応で、現在の0・084%まで一気に7倍に引き上げられた。引き下げが実現すれば、金融危機を脱してシステムが安定を取り戻したことを示す象徴的な出来事ともいえる。▼1面参照預金保険制度ができたのは71年。当時の預金保険料率は0・006%と今より桁が一つ小さかった。しかし、バブルが崩壊し、90年代以降の金融危機で、大手金融機関のはたんが相次いだ。預金保険機構(預保)の払い出しがかさみ、料率を96年度に0・012%から一気に7倍に増やして対応。その時の危機対応の数字が、今まで続いている。この時期、預保は預金の保護だけでなく、特別公的管理(一時国有化)の日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の処理や、金融機関から株式の購入や債券の引き受けなどによる資本増強などにも取り組み、金融安定化に尽力。やがて金融危機は沈静化し、02年度に4兆円も不足していた積立金も、10年度には積み立て不足が解消し、13年度には1兆6880億円まで増えた。今年度は2兆円を超えると見られる。3年前にも預保は調査会を立ち上げ、預金保険料率の引き下げを議論した。この時は、14年度までは現状維持とすることになった。「料率の引き下げは悲願。引き下げてこそ、金融危機を名実ともに脱したと言えるのでは」と、ある銀行幹部は言う。銀行は払わなくてすんだお金を、自己資本などにあてる考えで、預金利率の引き上げなどで預金者に回す可能性は低い。「預金保険料は大きな負担になっている」(メガバンク首脳)。国際的に金融機関の経営の健全性を保つための規制が強まるなどし、経営環境の変化への対応に力を注ぎたいためだ。
アダム・スミスの「国富論」に書かれた「見えざる手」をもじった「市場の見えざる心」がキーワードになった報告書が、15日に発表された。主要8カ国(G8)の政府関係者や金融、社会貢献活動の専門家らが1年かけてまとめたものだ。貧困や教育、福祉など社会的な課題を解決する「インパクト投資」の促進を提言した。投資することで社会に良い変化を起こすのがインパクト投資。報告書には、障害者雇用を生み出したIT企業や、低所得者が多い地域に健康食を提供するNPOなど、持続的に収益を上げている「社会的企業」が多く紹介されている。そこに投資を振り向けよう、というのだ。日本でも取り組みは始まっている。「ワクチン債」が2008年に国内で売り出された。予防接種事業に資金提供する国際機関が発行する債券だ。途上国の子どもへのワクチン接種を支援する資金を調達、加盟各国の寄付金を返済にあてる仕組みだ。他にも「グリーン・ボンド(債券)」「ウオーター・ボンド」「中南米子育て支援債」といった地球温暖化対策や水関連事業、貧困対策への投資資金を集めている。こうした「インパクト投資」債券の販売額は、日本で累計1兆円(14年3月末)に上る。60%のシェアを持ちトップの大和証券は「社会貢献に関心のあるお客さんが買っており、新しい顧客層を開拓した」(広報部)という。投資利回りが特別高いわけではないが、その効果への魅力が投資判断となっている。投資するか否かの判断は、利回りが高いかどうかという財務的リターンの多寡が基本ではある。それぞれの投資家が利益を追求すれば、市場の「見えざる手」が働き、社会全体も望ましい状況になるのであれば、財務的リターンだけを考えて投資すれば良いのかも知れない。だが世界を見渡せば、アフリカなどの貧困国はそこからなかなか抜け出せず、先進国でも格差が広がる現実がある。そこに社会を良くしたいという投資家の「見えざる心」を持ち込めば市場の失敗を防ぐことができるのではないかという思いが、冒頭の報告書にはにじんでいる。報告書づくりに関わった伊藤健・慶応大学特任助教は「財務的なリスクとリターンに加えて、社会的な影響、インパクトがどのくらいあるのかという社会的リターンを総合的に見極める投資判断が今こそ必要だ」と指摘する。欧米で「21世紀の資本論」(トマ・ピケティ)がベストセラーになるなど、格差拡大をもたらした現代の資本主義の未来に悲観論が漂っている。「良き社会へ」と願う投資家が増えることが、その救いにはならないか。(やすいたかゆき 編集委員)
政府は預金者の保護や金融システムの維持のために民間金融機関が支払う預金保険料を、2015年度にも引き下げる方針だ。銀行再編が進んで経営破綻のリスクが減ったとみて、金融機関全体で年6千億円程度支払っている保険料を、約2千億円引き下げる方向で議論する。政府は負担軽減分を預金者にも還元するため、金融機関に預金金利の引き上げなどを促す。政府と預金保険機構は保険料率の引き下げに向けた検討会を設置し、月内にも金融機関などと具体策作りに着手する。保険料率は預金量の0.084%で、12年度には金融機関の経営破綻が1年間なければ0.014%分を金融機関に返金する仕組みをつくったが、保険料率自体を引き下げるのは初めてだ。預金保険は銀行や信用金庫などが経営破綻時の預金払い戻しに備えて拠出している。1995年度まで保険料率は0.012%だったが、旧住宅金融専門会社(住専)処理などで金融危機が起きて、料率を大幅に引き上げた経緯がある。ただ国内では2010年に日本振興銀行が経営破綻したものの、3メガ銀行体制になるなど業界再編が進み、08年のリーマン・ショック時にも大型破綻は発生しなかった。そのため保険料を原資とした積立金は10年度に累積赤字を解消し、今年度は積立額が2兆円程度にまで増える見込みだ。政府も保険料率を引き下げる環境が整いつつあるとみている。保険料率は0.084%から約3分の1圧縮して0.05%程度まで引き下げる方向で検討する。保険料は年6千億円から年4千億円程度と、約2千億円減ることになる。預保機構は21年度までに積立金を5兆円に増やす計画で、今後7年で3兆円を積み立てるには、毎年4千億円程度積めば済むためだ。3メガ銀行など五大銀グループの年間保険料は約2千億円で、合計2兆8千億円ある最終利益に対して約7%に相当する。政府は預金保険の引き下げが実現すれば、金融機関に負担軽減分を利用者へ還元するよう求める考えだ。過去最低水準にある預金金利の引き上げが検討課題となるほか、ATM手数料の引き下げなどのサービス拡充で預金者に還元する案もある。欧米では08年のリーマン・ショック以降、預金保険制度の拡充を進めている。米国は20年9月までに預金保険基金の積立比率を危機前の水準に回復させる方針だ。世界的にも金融機関には自己資本を高めるよう規制が強化されている。